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パソコンが僕の人生を変えた（２）
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「斉藤」と「斎藤」、「渡辺」と「渡邊」
これらが違う文字であることは目で見てもわかります。しかし、実際にはこ れらを混同して入力されてしまうことがあります。実際にあった例なのですが、斉藤さんという営業マンがいました。データベースに登録されていた担当名には「斉藤」と入力してありました。月末になって、営業マンごとの営業成績を集計をしたときに、斉藤さんの売上だけが異常に低かったのです。
実際にどのぐらいの仕事をしているかは、日頃の様子からわかっていたので、「データベースの機能がおかしいのでは？」ということになり、集計をさせる部分に何かミスがあるのではないかと調べましたが、どこもおかしくあり ません。他の営業マンの数字は正しく計算されています。
どうして斉藤さんの数字だけが集計されないのか疑問が残りました。
一件一件入力されたデータを調べたところ、「斉藤」という名前を「斎藤」と入力しているものが数件あり、「斎藤」と入力した売上の分だけが集計されていませんでした。
本人に確認したところ、「俺の名前は斎藤と書くのが正しいんだ」とのことでした。では何で最初から「斎藤」にしなかったのかと訊いてみると、パソコンで「斎藤」という漢字がでてくることを知らずに、仕方なく「斉藤」を使っていたらしいのですが、たまたまパソコンをいじっているときに、「斎藤」という漢字が出ることを知って、それからは「斎藤」で入力したとのことでした。
自分の名前を正しい漢字で書くのは当然です。しかし、データベースとしては、気まぐれで入力する文字を変えられてしまっては困ります。文字が違えばパソコンは違うものとして認識します。 この例は笑い話のようですが、実際によくあることです。
パソコンで使う文字と手書きの文字では、全く違う働きがあるということを理解しておかなければなりません。手書きの文字は人間に何かを伝えるためのものですが、パソコンの文字は人間に何かを伝えるという働きと、パソコンに何かをさせるという2つの働きがあります。パソコンに何かをさせるた めの文字には規則性がなくてはなりません。
身近な例では、半角文字なのか全角文字なのかということです。
私はいつも英字や数字の「半角と全角」をきちんと使い分けるように指導しています。何となく半角のときもあれば、何となく全角のときもあるというのはいけません。英字と数字は半角で入力するのが正しいのですが、全角で入力している人もかなりいるようです。全角と半角をバラバラに使っていることもあります。
メールの本文でも、「Windows」は半角で、「Ｏｆｆｉｃｅ」は全角で入力しているようなメールを多く目にします。中には「０ｆfice」と一つの単語でも半角と全角が混ざっている場合もあります（こういう入力の仕方の方がめんどうなのに・・・）。半角と全角の「意味」がわかっていないのでしょうね。こういう人達がデータベースを使うと、斉藤さんの例のような混乱をまねくことになります。文字入力に規則性、統一性がないからです。
英字、数字、記号は半角です。文書中のロゴや、視覚的に目立たせたいなどの理由ある場合にはあえて全角を使うこともありますが、基本は半角です。特に、パソコンに何かをさせる（命令を与える）場合は、半角でないとパソコンは動きません。アメリカ人のパソコンには全角はないのですから、半角だけでパソコンがが動かないと困ってしまいます。
会社や同じ仕事に関わっている人の間では、文字に対しての考え方を事前に統一しておきましょう。データベースだけではなく、ワードの文書などでもカタカナを半角にするのか全角にするのか等のことを決めておく必要があります。誰かが数ページ分の文書を作り、他の人が残りのページを作るような場合、全角と半角がバラバラでは、最後に両方を合わせたときに、どちらかに統一させるための手間をかかってしまいます。フォントについても同様のことがいえます。パソコンによって使えるフォントが違っている場合も多いですから、「よし、このフォントがいいな」と気合を入れて作ったプレゼン資料を、本番で他のパソコンを使用したら全くイメージが変わってしまったということもあります。
今やパソコンのデータは自分だけのものではありません。他の人のデータを自分が使うこともありますし、自分が入力したデータを他の人が使うこともあります。大事なことは、「このデータを最終的には、何に、どのように使うのかということをわかっている」ことです。
独りよがりでは、ネット社会でパソコンは使えません。
特にデータベースの場合には、検索や並べ替えに関係しますので、半角なのか全角なのかということをきちんと決めておく必要があります。また、データベースを作る側の配慮として、可能な限り、入力画面で「半角しか入力できない」などの入力規則を設定をしておくことも必要です。
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