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(97)残暑と冷夏
残暑見舞いを手にしても、今年はあまり実感が伴わない。
特に東日本では、異例に遅い梅雨明け後、照りつける太陽を拝まないまま、梅雨が戻ったように雨が続いた。
秋の収穫も心配されるところだ。
今頃の残暑を指す「残暑」を何処に行ったのか。
現在用いられている太陽暦の八月八日ごろにあたる「立秋」が、暦の上では秋の始まりだ。
残暑とは、この日を過ぎてなを残る暑さのことで、俳句では秋の季語だそうだ。
歳時記をひもとくと、残暑とは立秋過ぎの暑さではあるが、夏から続く暑さではなく、一度涼しくなってからぶり返した暑さに使うのがふさわしい、とある。
しかし実際は、暑さを総じて残暑と呼んでいる。
残暑の終わりは、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉通り、おおむね秋分ころのようだ。
例えば、暑さの変化ーーー。
二十四節季のひとつ、立夏(五月六日ごろ)で夏が始まり、本格的な暑さがやってくる。
小暑(七月八日ごろ)をもって暑気に入りに入り、続く大暑(七月二十三日ごろ)で暑さは最も厳しくなる。
大暑から立秋までの十八日間は、夏の土用、すなわち暑中であり、一年で最も暑い時期である。
立秋後、処暑(八月二十四日ごろ)を迎えると、暑さは和らぎ、秋分(九月二十三日ごろ)で一区切り、という具合だ。
英語で残暑の直訳は、lingering summer heatあるいはlate summer heatなどで、いずれも言葉通り、長引く暑さ、晩夏の暑さを意味している。

米語には「インディアンサマー」という言葉もある。英和辞典では「小春日和」と記されているが、もう少し説明すると、北アメリカで、夏が去りいったん涼しくなった九月中旬から十月初めころ、再び巡ってくる、晴天の暖かな夏らしい気候を指す。
日本の残暑と多少重なる。
この時期を利用してアメリカインディアンが、冬に備えて食料の備蓄に励んだから習慣から、この言葉が生まれたという。
日本の「残暑」という言葉には、一度涼しさを味わった身にはこたえるつらい暑さ、といった否定的な意味が強いが、米語のインディアンサマーは、心地良い夏の暑さの再来を賞する気持ちが強い。肯定的な意味合いといえる。
温暖多湿な夏はつらいものである日本人と、太陽を謳歌できる夏は短くてありがたいものである北米人の、感覚の違いがそこに読み取れる。
ところで、気象庁によると、これから本格的な暑さが戻るらしい。
冷夏を過ごした身に、残暑の厳しさはさぞかしこたえるだろう。
03-8-23





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