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パソコンが僕の人生を変えた(2)

(25)もはやウイルス対策は社会人の常識
「Re:Your password!」、「Re:お久しぶりです」「Re:重要なお知らせ」「例の件」……。
「Re:Your password!」は7月12日に米国で発見され、15日から数日にわたって日本でも猛威をふるった「FRETHEM」、「Re:お久しぶりです」以降は初めて日本語の件名で多くの感染者を出した「FBOUND」が送られてくるウイルスメールの件名だ。受信者が添付ファイルを思わず実行したくなるような件名になっている。

いかに手口が巧妙とはいえ、相も変わらず新種のウイルスがこれほどまでに蔓延してしまうのはなぜか。FRETHEMは、感染したPCのアドレス帳などに含まれるメール・アドレス宛てに、ウイルスを添付したメールを送信する。個人レベルでは「セキュリティー対策への認識の低さ・心構えの甘さ」が残っており、“上手の手から水が漏れてしまう”のだろう。メールが日常の情報伝達手段として定着した今、ウイルス問題は、本当に他人事ではない。

●ウイルス感染
 自身のPCへの感染したことが分かったら、あなたはどう対処するだろう? 
「大切なデータが破壊されていないだろうか」「どうしたらウイルスを駆除できるか」と、真っ先に自身のPCへのウイルス対策に乗り出す「被害者」的対応では不十分だ。

原因はどうあれ、FRETHEMや「KLEZ」といったワーム型ウイルスに感染すると、自身のPCにあるアドレス帳の登録先にウイルス・メールをばらまくことになる。否応なしに自分が加害者になってしまうのだ。場合によっては信用問題になるかもしれない。

大げさな例えかもしれないが、実社会で言えば海外旅行の渡航先で感染症にかかり、帰国して多大なる感染被害者を出すようなもの。しかし、ネットワーク社会での新種ウイルスの流行は、一時は大きな話題にこそなれ、ウイルス対策ソフトベンダーが最新のパターンファイルを更新し、セキュリティホールにパッチを当てれば、騒ぎは急速に沈静化するのも事実だ。だからといって、消極的な対応に個人が留まっていては、新しいウイルスが出現して感染するという、同じサイクルが繰り返され続ける。

●自衛策として「ネチケット」の確立を
 つまり、企業・個人にかかわらず、コンピューター・ウイルス対策を施すことは、もはやネットワーク社会で必要最低限のモラルだと言える。ウイルス対策ソフトのインストール、一般の個人ユーザーであれば、もはや当たり前のことなのだ。

しかし、ウイルスの作者は今後も、新しい技術と手法を駆使して、これまでにも増して巧妙な手口を編み出しては感染拡大を狙ってくる。新種のウイルスは周到に準備した検問をかいくぐって個人の端末にまで進入してくる。そしていったんウイルスに感染・蔓延すれば、ウイルス対策ソフトベンダーから提供されるパターンファイルが更新されるまでは検知・駆除はできない。
とすれば、ウイルス感染を未然に防ぐためには、まず、ウイルス・メールかどうかを見分けるための、ネット上の暗黙のルールとも言うべき「ネット・エチケット(ネチケット)」を、草の根的に広めることが必要なのではないだろうか。

メールで言うならば、送信時に「ファイルを添付する場合はそのファイル名と、添付した旨を本文に必ず書き添える」「本文の最後には名前など送信者を特定できる署名を必ず添える」といったメールのルールを広範囲に慣例化することだ。知人のアドレスから届いたメールであっても、添付ファイルのファイル名が明記されていなかったり、その人の署名が入っていなければ、不用意にはファイルを利用しなければいい。こうしたことが文書のマナーのように、必要最低限のメールの書き方・送り方として確立されれば、ウイルス・メールとの見分けもつきやすく、ファイル実行・感染の機会もぐっと少なくなるに違いない。

新種のウイルスに感染するか免れるかどうかは、結局は個人の“セキュリティーへの心構え”に負うところが大きい。少なくとも、ワーム型のウイルスに感染した場合、自分が加害者になることを強く認識しておくべきであろう。そして、ウイルス対策ソフト/サービスの導入はもちろんのこと、常に最新のパターンファイルを使うこと、OSやブラウザーのセキュリティー・ホール対策などへの留意も「常識」と考えるべきなのである。
                                   (井関 清経=BizTech副編集長)





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